【弁護士が警告】不動産営業の「歩合給」の闇。ノルマ未達への「違法ペナルティ」と最低賃金割れの実態

平成レトロな劇画タッチのイラスト。不動産会社のオフィス。「売上至上主義」の額縁の下、鬼のような形相の上司が、グラフ用紙(売上ゼロを示している)を部下の顔に突きつけて怒鳴っている。部下の営業マンは、中身の薄い給料袋を握りしめ、脂汗を流して震えている。背景には「罰金」「自腹」と書かれた貼り紙があり、殺伐とした雰囲気が漂っている。 職種別トラブル集
弁護士町田北斗

2018年登録・東京弁護士会所属
個々人が業種や職種毎のトラブルを予測回避するのは極めて困難です。
本サイトでは、過去に発生したトラブル事例を分析して回避することで、失敗しない企業・エージェントを選び抜き、安全なキャリア形成を支援します。

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「入社1年目で年収1000万円も夢じゃない!」 不動産業界の求人広告には、威勢の良い言葉が並びます。確かに、実力次第で高収入が得られるのはこの業界の魅力です。

しかし、弁護士の視点から見ると、その高収入の裏側には**「労働者の生存権を脅かす違法な給与体系」「人格を否定するパワハラ」**が潜んでいるケースが後を絶ちません。

「契約が取れないなら、給料泥棒だ」「罰金を払え」。 もし今の職場でこんな言葉が飛び交っているなら、それは教育ではなく法律違反です。今回は、不動産営業職が直面しやすい法的リスクと、そこから抜け出すための戦略を解説します。


不動産営業(売買・賃貸)

危険信号:「歩合給トラブルとパワハラ」

不動産営業、特に「フルコミッション(完全歩合制)」やそれに近い給与体系を採用している会社では、労働法を無視した過酷な管理が行われがちです。

ここが危ない!法的リスク

  1. 固定給が「最低賃金」を割っている: 「基本給15万円+歩合」といった設定の場合、長時間労働を含めて計算すると、時給換算で都道府県の「最低賃金」を下回っているケースが多々あります。 どんなに成果主義であっても、雇用契約を結んでいる以上、会社は最低賃金以上の給与を支払う義務があります。成果が出ないからといって、生活できない給与で働かせることは違法です。
  2. ノルマ未達に対する「罰金」や「自腹」: 「今月ノルマ未達だから罰金5万円な」「チラシのポスティング代はお前の自腹だ」 これらは明白な労働基準法違反(第16条:賠償予定の禁止、第24条:賃金全額払いの原則)です。会社が損失を従業員に補填させることは、原則として認められません。
  3. 人格否定レベルのパワハラ: 「詰め(つめ)」と呼ばれる長時間の説教、暴言、他の社員の前での吊るし上げ。これらは安全配慮義務違反にあたり、慰謝料請求の対象となり得ますが、業界の悪しき慣習として残っている会社がまだ存在します。

弁護士のアドバイス:ブラック不動産会社を避けるチェックポイント

「稼ぎたい」という意欲を利用され、使い捨てにされないためには、転職前に以下のポイントを冷静に見極める必要があります。

① 給与体系の「固定部分」を計算する

求人票の「モデル年収」ではなく、「固定給」の額面を見てください。 そして、みなし残業時間が何時間含まれているかを確認しましょう。「固定給20万円(固定残業代80時間含む)」のような求人は、時給換算すると最低賃金ギリギリか、割っている可能性が高い危険な求人です。

② 「反響営業」か「飛び込み・テレアポ」か

精神的な摩耗が激しいのは、無差別な電話営業(テレアポ)や飛び込み営業をメインとする会社です。 一方、「反響営業(Web等を見て問い合わせてきた客への対応)」を謳っている会社でも、実態は反響が少なく、結局テレアポをさせられるケースがあります。ここを見抜くのが重要です。

③ 不動産業界に強いエージェントで「社風」を聞く

不動産業界は、会社によって「体育会系イケイケ」なのか、「コンプライアンス重視のスマート営業」なのか、文化が極端に異なります。

業界特化のエージェントであれば、 「この会社は固定給が高めで、ノルマよりもプロセスを評価する」 「ここは離職率が高いが、インセンティブ率は業界トップクラス(覚悟がある人向け)」 といった、あなたの適性に合わせた内部情報を持っています。

「入ってみたら地獄だった」を防ぐために、プロのフィルターを通してください。

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