【弁護士が警告】介護職の「ワンオペ夜勤」は法律違反の温床。休憩なし・個人賠償のリスクから身を守れ

職種別トラブル集
弁護士町田北斗

2018年登録・東京弁護士会所属
個々人が業種や職種毎のトラブルを予測回避するのは極めて困難です。
本サイトでは、過去に発生したトラブル事例を分析して回避することで、失敗しない企業・エージェントを選び抜き、安全なキャリア形成を支援します。

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「夜勤中、ナースコールが鳴り止まなくて一睡もできない」 「利用者様が転倒した時、自分一人しかいなくて対応が遅れてしまった…」

介護職・ヘルパーの皆さん。人手不足だから仕方ないと諦めていませんか? 特に、夜間に職員一人で多数の利用者を担当する**「ワンオペ夜勤」は、肉体的に過酷なだけでなく、弁護士の視点から見ると「いつ法律違反や訴訟トラブルに巻き込まれてもおかしくない危険地帯」**です。

今回は、違法な夜勤体制の実態と、事故が起きた際に「施設ではなくあなた個人」が責任を問われないための防衛策を解説します。


3-2. 介護職・ヘルパー

危険信号:「配置基準ギリギリのワンオペ夜勤」

国の配置基準(利用者数に対する職員数)を満たしていても、夜間の緊急時に対応できないシフト体制であれば、それは事実上の「安全配慮義務違反」です。特に以下の2点は深刻な法的リスクを孕んでいます。

1. 「休憩時間」が取れていない(労基法違反)

労働基準法では、労働時間が8時間を超える場合、少なくとも1時間の休憩を与えなければなりません。 しかし、ワンオペ夜勤では「利用者が起き出すかもしれないから、モニターを見ながら食事をとる」「ナースコールが鳴ればすぐ対応できる状態で仮眠する」といったケースが横行しています。

法的には、「手待時間(何かあればすぐ動ける状態)」は休憩時間ではなく、労働時間です。 これに対して賃金が支払われていなければ、明白な**「未払い賃金トラブル」**となります。

2. 事故時の「個人賠償」リスク

これが最も恐ろしいリスクです。 業務中に利用者が転倒・骨折するなどの事故が起きた場合、原則としては施設側(法人)が賠償責任を負います(使用者責任)。 しかし、ブラックな施設では雇用契約書や誓約書に**「業務中の過失による損害は、個人が全額賠償する」**といった違法性の高い条項を盛り込んでいることがあります。 また、施設が損害保険に入っておらず、責任逃れのために職員個人に責任を押し付けてくるケースも実在します。


弁護士のアドバイス:使い捨てにされない施設選びのポイント

あなたの心身とキャリアを守るために、転職時には以下のポイントを必ず確認してください。

① 夜勤体制と「休憩の代替要員」

面接で「夜勤は何人体制ですか?」と聞くだけでは不十分です。 **「休憩に入る際、フロアを見守る代わりの職員は確保されていますか?」**と踏み込んで聞いてください。 「相方がいないから、休憩中もPHSは持っててね」という施設は、法的には休憩がない(=違法労働)施設です。

② 事故発生時のマニュアルと保険加入

まともな法人は、職員を守るための「賠償責任保険」に加入しています。 「万が一、事故が起きた場合の法人のバックアップ体制はどうなっていますか?」と確認しましょう。ここで「個人の責任感の問題」などと精神論を語る施設は避けるべきです。

③ 介護業界に特化したエージェントを使う

求人票の「アットホームな施設です」は何も信用できません。 施設の「本当の夜勤実態」を知るには、プロの情報網が不可欠です。

介護職専門のエージェントであれば、 「この施設は夜勤の配置を手厚くしており、休憩室も別室で確保されている」 「ここは離職率が高く、常に派遣スタッフだけで夜勤を回している危険な施設だ」 といった内部事情を把握しています。

「何かあってから」では遅いのです。自分を守ってくれるホワイトな施設を、プロと一緒に探してください。

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