「朝は誰よりも早く現場に入り、夜は誰よりも遅くまで書類作成」 「土曜日は当然のように出勤。日曜も現場が気になって休まらない」
建設業界、特に施工管理(現場監督)の皆さんは、日本のインフラを支える誇り高い仕事をしている一方で、全産業の中で最も過酷な労働環境に置かれていると言っても過言ではありません。
2024年4月から建設業にも時間外労働の上限規制が適用されましたが、現場の実態は追いついているでしょうか? 弁護士の視点で見ると、多くの現場監督は**「責任感」を盾に取られた違法な働かせ方**を強いられています。今回は、施工管理職が陥りがちな「見えない労働時間」の罠と、身を守るための転職戦略を解説します。
施工管理(現場監督)
危険信号:「4週4休未満・過労死ラインの常態化」
「工期は絶対」。このプレッシャーが、現場監督から「休む権利」を奪っています。 天候による遅れ、職人の手配ミス、設計変更…あらゆるしわ寄せが現場監督の労働時間に転嫁され、結果として「過労死ライン(月80時間超の時間外労働)」が常態化している現場が後を絶ちません。
ここが危ない!法的リスクと「隠れ労働時間」
- 36協定違反の常態化: 週休1日(4週4休)がやっと、あるいはそれすら確保できない状態は、労働基準法の原則(週1日の法定休日)をギリギリで運用している危険な状態です。さらに、月100時間を超えるような残業は、たとえ繁忙期であっても法律違反となる可能性が極めて高いのです。
- 「移動・朝礼・着替え」は労働時間です: これが最も多いトラブルの元です。
- 現場への直行直帰時の移動時間(特に会社の指示による乗り合いなど)
- 始業前の朝礼、KY(危険予知)活動、ラジオ体操
- 作業着への着替え時間 これらは本来、会社の指揮命令下にある「労働時間」とみなされるべきです。しかし、多くの会社ではこれらを労働時間に含めず、結果として莫大な**「未払い残業代」**が発生しています。
- 持ち帰り残業(書類作成地獄): 日中は現場の管理で手一杯。膨大な施工図修正、安全書類、写真整理は、夜遅くの事務所や、自宅に持ち帰って行うしかない。この「持ち帰り残業」も、会社の黙認があれば労働時間とみなされますが、支払われていないケースが大半です。
弁護士のアドバイス:ホワイトな現場を見極めるチェックポイント
「体力が持たない」「家族との時間が作れない」。そう感じて転職を考えるなら、同じ轍を踏まないために以下の視点を持ってください。
① 「移動時間の扱い」を面接で確認する
「現場への移動時間は、御社では労働時間に含まれますか?」と単刀直入に聞いてみましょう。 ホワイトな企業は、「原則は含みます」「移動手当として別途支給しています」など明確な回答を持っています。言葉を濁したり、「うちはそういうのないよ」と答える会社は、法令順守意識が低い危険信号です。
② ICT活用度と書類作成サポート体制
長時間労働の元凶である「書類作成」をどう効率化しているかを確認します。 「施工管理アプリ(ANDPADやSpiderPlusなど)を導入しているか」「現場監督とは別に、書類作成専門の事務スタッフ(CADオペレーターなど)がいるか」。これらは、会社が本気で現場の負担を減らそうとしているかの試金石です。
③ 建設業界に強いエージェントで「実態」を探る
求人票の「週休2日制(土日祝)」を鵜呑みにしてはいけません。「※現場状況による」という注釈が実態だからです。
建設業界に特化した転職エージェントであれば、 「このゼネコンは、土曜閉所(4週8休)を本気で推進している」 「このサブコンは、残業代は1分単位で全額支給されるが、その分基本給が低い」 といった、企業のリアルな「働き方改革」の進捗状況を把握しています。
あなたの健康と生活を守るために、情報武装をして転職活動に臨んでください。



コメント