【弁護士が警告】トラックドライバーの「荷待ち時間」はタダ働きじゃない。2024年問題で「潰れる会社」と「生き残る会社」の境界線

平成レトロな劇画タッチのイラスト。深夜の物流倉庫のバース(荷積み場)。トラックの運転席で、疲れ果てた中年ドライバーがハンドルに突っ伏している。窓の外では雨が降っており、「荷受け待ち 4時間経過」の看板が見える。サイドミラーには、配車係の怒る顔が映り込み、「まだ待て!エンジン切れ!」と叫んでいるような吹き出しが出ている。 職種別トラブル集
弁護士町田北斗

2018年登録・東京弁護士会所属
個々人が業種や職種毎のトラブルを予測回避するのは極めて困難です。
本サイトでは、過去に発生したトラブル事例を分析して回避することで、失敗しない企業・エージェントを選び抜き、安全なキャリア形成を支援します。

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導入文

「指定された時間に到着したのに、荷物ができていなくて3時間待機。もちろん待機代はゼロ」 「2024年問題で残業規制が入るから、来月から給料を下げるぞと脅された」

日本の物流を支えるトラックドライバーの皆さん、あなたの会社は今、法律を守れていますか? 弁護士として断言しますが、荷主の都合による待機時間は、立派な「労働時間」です。

2024年4月から適用された時間外労働の上限規制(年960時間)は、本来ドライバーの健康を守るためのものですが、悪質な運送会社では逆に「サービス残業の隠れ蓑」として悪用されるリスクがあります。 今回は、ドライバーが搾取されやすい「荷待ち時間の未払い」問題と、法令違反のブラック運送会社を見抜くポイントを解説します。


4-1. トラックドライバー(長距離・配送)

危険信号:「荷待ち時間の未払いと改善基準告示違反」

運送業界で長年常態化している「長時間の荷待ち」と、無理な運行計画による「改善基準告示違反」。これらは明確なコンプライアンス違反です。

ここが危ない!法的リスク

  1. 荷待ち時間は「手待時間」=労働時間です: 倉庫に着いてから荷積み・荷降ろしが始まるまでの待機時間。会社から「休憩しておけ」と言われても、いつ呼び出されるか分からずトラックを離れられない状態であれば、それは法的に**「手待時間(労働時間)」**にあたります。 これに対して賃金を支払わないのは、労働基準法違反(賃金未払い)です。
  2. 2024年問題と「歩合給」の落とし穴: 時間外労働の上限(年960時間)を守るために、会社が無理やり労働時間を短く記録させたり、「走った距離や時間で稼ぐ」歩合給制を一方的に不利益に変更したりするトラブルが急増しています。 労働条件の不利益変更には、労働者との個別合意が必要です。「法律が変わったから」という理由だけで、説明もなく給料を下げることは許されません。
  3. 改善基準告示違反の常態化: 「連続運転4時間ごとの30分休憩」「勤務終了後の休息期間(原則11時間以上)」といった、国が定めたルール(改善基準告示)を守らない運行計画は、ドライバーの命を危険に晒す行為であり、行政処分の対象となります。

弁護士のアドバイス:「ホワイト物流」企業へ移るためのチェックポイント

「走れば走るほど稼げる時代」は終わりました。これからは「法律を守って効率よく稼ぐ」時代です。以下のポイントで会社を選んでください。

① 「待機料金」を荷主に請求できているか?

面接で「荷待ち時間が発生した場合、残業代や手当は出ますか?」と聞いてみましょう。 健全な運送会社は、荷主に対して「待機料金」や「高速道路利用料」をしっかり交渉・請求し、それをドライバーに還元しています。「うちは荷主様に逆らえないから…」と弱気な会社は、将来性がありません。

② デジタコと勤怠管理の透明性

デジタルタコグラフ(デジタコ)と勤怠管理システムが連動しており、1分単位で労働時間を管理している会社を選びましょう。 「手書きの日報で時間を調整している」「デジタコの電源を切らせる」といったアナログな隠蔽工作を行っている会社は論外です。

③ 運送業界特化のエージェントで「Gマーク」等を確認

安全性優良事業所(Gマーク)や、「ホワイト物流推進運動」への賛同企業かどうかも一つの目安です。

運送業界に特化した転職エージェントであれば、 「この会社は、完全週休2日制で固定給比率が高い」 「2024年問題に対応して、中継輸送やパレット輸送を導入し、ドライバーの負担を減らしている」 といった、企業の「本気度」を知っています。

事故を起こしてからでは遅すぎます。自分と家族を守れる会社へハンドルを切ってください。

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