【弁護士が警告】事務職は「安定」じゃない?5年目の「雇い止め」と閉鎖的な職場のハラスメント地獄

平成レトロな劇画タッチのイラスト。薄暗いオフィスのデスク。事務服を着た女性が、カレンダーの「4年11ヶ月」の日付を見て青ざめている。手には「契約期間満了のお知らせ(更新なし)」と書かれた紙。背後では、意地悪そうな上司が「5年になる前にサヨナラだね」と冷笑し、次の新しい契約社員の履歴書を見ている。 職種別トラブル集
弁護士町田北斗

2018年登録・東京弁護士会所属
個々人が業種や職種毎のトラブルを予測回避するのは極めて困難です。
本サイトでは、過去に発生したトラブル事例を分析して回避することで、失敗しない企業・エージェントを選び抜き、安全なキャリア形成を支援します。

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「土日休みで、座って仕事ができる事務職に就きたい」 そう考えて、未経験から契約社員として事務の仕事を始める方は多いです。

しかし、弁護士の視点で見ると、事務職(特に非正規雇用)は**「雇用の調整弁」として扱われやすく、法的に非常に弱い立場**に置かれがちです。

「5年頑張れば無期雇用になれると思っていたのに、直前で契約終了を告げられた」 「閉鎖的な部署で、上司からのセクハラ・パワハラに耐えるしかない」

今回は、事務職志望者が知っておくべき「5年ルールの落とし穴」と、ハラスメントのない健全な職場を見極める方法を解説します。


6-2. 一般事務・経理・総務

危険信号:「契約社員の雇い止め・ハラスメント」

事務職のトラブルで最も深刻なのが、労働契約法第18条(無期転換ルール)を悪用した「雇い止め」と、逃げ場のない「ハラスメント」です。

ここが危ない!法的リスク

  1. 無期転換直前の「雇い止め(5年ルールの悪用)」: 有期雇用契約(契約社員やパート)が通算5年を超えると、労働者は会社に対して「無期雇用(定年まで働ける契約)」への転換を申し込む権利を得ます。 しかし、ブラック企業はこれを阻止するために、4年11ヶ月目などで「契約更新は今回まで」と一方的に雇い止めを行います。 これは法の趣旨に反する脱法行為ですが、契約書に「更新上限は5年まで」とあらかじめ記載して逃げ道を作っているケースが多く、争うのが難しいのが現状です。
  2. 閉鎖空間での「セクハラ・パワハラ」: 経理や総務などの管理部門は、少人数で閉鎖的な環境になりがちです。 「お茶汲みや掃除は女性の仕事」という昭和的な価値観を押し付けたり、密室でのセクハラ発言、ミスに対する執拗な叱責(パワハラ)が横行しても、外部に発覚しにくい構造があります。
  3. 産休・育休取得妨害(マタハラ): ギリギリの人員で回している中小企業では、事務員が産休に入ると業務が回らなくなるため、「妊娠したら辞めてもらうのが暗黙の了解」という悪質なマタハラ(マタニティハラスメント)がいまだに存在します。

弁護士のアドバイス:使い捨てにされない事務職への道

「事務職ならどこでもいい」という安易な選び方は危険です。長く安定して働くために、以下のポイントを必ず確認してください。

① 最初から「正社員」を目指すか、「正社員登用実績」を見る

契約社員スタートの場合、面接で「過去に契約社員から正社員になった人は何人いますか?」と具体的に聞いてください。 「制度はあります(実績があるとは言っていない)」という回答には注意が必要です。可能な限り、最初から雇用期間の定めのない「正社員求人」を狙うのが、法的リスクを回避する最善策です。

② ハラスメント対策と「男女比・年齢構成」

求人票やエージェントを通じて、職場の男女比や年齢構成を確認しましょう。「高齢の男性管理職と、若手の女性事務員だけ」という構成の職場は、パワーバランスが歪みやすく、ハラスメントのリスクが高まる傾向にあります。 また、コンプライアンス通報窓口が設置されているかも重要なチェックポイントです。

③ 事務職に強いエージェントで「非公開求人」を狙う

人気職種である事務職の「ホワイト求人(正社員・残業少なめ)」は、応募が殺到するため、一般の求人サイトには出回りません。

事務職・管理部門に特化したエージェントであれば、 「この会社は、産休育休の復帰率が100%で、時短勤務も柔軟だ」 「ここは『無期転換逃れ』のような脱法行為は絶対にしないコンプライアンス企業だ」 といった、安心して長く働ける企業の紹介を受けられます。

倍率が高い職種だからこそ、プロの助けを借りて、質の高い求人にアクセスしてください。

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