「日中は子供のお世話で手一杯。指導案や壁面制作は家に持ち帰って、寝る時間を削ってやるしかない」
「有給休暇を取りたいと言ったら、園長に『代わりの人を見つけてから言って』と怒られた」
保育士の皆さん、子供たちの笑顔を守るために、自分自身の生活と健康を犠牲にしていませんか? 弁護士の立場から言わせていただきます。「子供のため」という言葉で、労働基準法を無視することは許されません。
自宅での作業も、本来は給料が出るべき「労働」です。
今回は、保育現場にはびこる「持ち帰り残業」の法的問題点と、私生活を大切にできる「ホワイト園」を見つけるためのチェックポイントを解説します。
保育士
危険信号:「持ち帰り残業と有休取得妨害」
保育業界の最大の問題は、業務量と人員配置のバランスが崩壊しており、そのしわ寄せが個人の「サービス残業(持ち帰り)」といじめに近い「有休妨害」に向かっている点です。
ここが危ない!法的リスク
- 持ち帰り残業は「黙示の業務命令」: 園長が「家でやってこい」と明言しなくても、物理的に勤務時間内に終わらない量の業務を与え、期限までに提出させる状況があれば、それは法的に**「黙示の業務命令」**があったとみなされます。 つまり、自宅で作業した時間は「労働時間」であり、園はこれに対して残業代を支払う義務があります。「自主的にやった」と言いくるめられてはいけません。
- 有休拒否と「代わりを探せ」: 有給休暇は労働者の権利であり、理由を問わず取得できます。園側には「時季変更権(忙しい時期をずらしてもらう権利)」がありますが、慢性的な人手不足を理由に**「うちは有休なんて取れないよ」と拒否することは違法**です。 また、「休むなら自分で代わりの先生を探して」と強要する園がありますが、人員配置の責任は経営者にあり、労働者に責任を転嫁することは許されません。
弁護士のアドバイス:ホワイト園を見つけるプロの視点
「持ち帰りゼロ」「有休消化率100%」を実現している園は実在します。転職活動では、以下のポイントで園の運営体制を見極めてください。
① 「ノンコンタクトタイム」とICT導入状況
勤務時間内に事務作業をするための時間(ノンコンタクトタイム)が確保されているかを確認しましょう。 また、手書きの連絡帳や指導案にこだわらず、ICTシステム(登降園管理や書類作成ソフト)を導入している園は、業務効率化への意識が高く、持ち帰り残業が少ない傾向にあります。
② 休憩室の有無と「外出」の可否
「休憩時間中も保育室で子供を見守りながら食事」というのは、労働法上の「休憩」ではありません(手待時間とみなされます)。 「休憩室は別にありますか?」「休憩中に外に出ることは可能ですか?」と聞いてみてください。ここが曖昧な園は、休憩すら取れないブラック労働の可能性大です。
③ 保育士専門エージェントで「園の評判」を聞く
求人票には「アットホームな職場」と書いてあっても、実際は園長のパワハラが横行しているケースがあります。
保育士専門の転職エージェントであれば、 「この園は、行事の衣装作りを外部委託していて負担が少ない」 「ここは有休取得を奨励していて、昨年の消化率は平均80%を超えている」 といった、働きやすさに直結する内部情報を持っています。
子供たちと長く向き合うためにも、まずはあなた自身が大切にされる環境を選んでください。



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