「年収600万円可!月給40万円〜の高待遇」 求人サイトでこんな魅力的な数字を見て、応募ボタンを押しそうになっていませんか?
ちょっと待ってください。その「月給40万円」の内訳、確認しましたか? もし、「基本給15万円+固定残業代25万円」のような極端な構成になっていたら、あなたは将来的に莫大な損をする可能性があります。
弁護士として断言します。みなし残業代(固定残業代)は、正しく運用されなければ、企業の「合法的なタダ働き」の道具になり下がります。 今回は、多くの営業職がハマる給与の落とし穴と、数字のマジックに騙されないための転職知識を解説します。
6-1. 営業職(保険・証券・不動産以外)
危険信号:「みなし残業代のカラクリ」
営業職の求人で最も多いトラブルが、この「みなし残業(固定残業代)」制度の悪用です。企業側は「労働時間の管理が難しい営業職に適した制度だ」と主張しますが、実態は人件費削減の温床となっています。
ここが危ない!法的リスク
- 「基本給が極端に低い」ことの恐怖: 「月給30万円(固定残業代80時間分を含む)」のような求人の場合、逆算すると基本給は最低賃金ギリギリ(東京都なら約16万円)というケースがザラにあります。 基本給が低いと、以下のような重大な不利益が発生します。
- 残業単価が低い: みなし時間を超えて働いた場合の残業代は、低い基本給をベースに計算されるため、雀の涙ほどになります。
- 賞与(ボーナス)が低い: 多くの企業では、賞与は「基本給の〇〇ヶ月分」と計算されます。総支給額が多くても、基本給が低ければボーナスは少なくなります。
- 退職金が低い: 退職金の計算式も基本給をベースにすることが一般的です。長年勤めても、期待した額がもらえない可能性があります。
- 「みなし時間」が長すぎる、または曖昧: 「月80時間分」や「月100時間分」といった、過労死ラインを超えるような長時間の固定残業代設定は、公序良俗違反として無効となる可能性が高いです。 また、求人票や雇用契約書に「〇〇時間分の残業代として」と明記されていない場合、その手当は残業代とは認められず、別途全額の残業代を請求できる可能性があります。
弁護士のアドバイス:数字のマジックに騙されない転職の知恵
「高収入」のキャッチコピーに踊らされず、長く安心して働ける会社を選ぶために、転職活動では以下の点を冷静にチェックしてください。
① 求人票は「内訳」を見る癖をつける
「総支給額」だけで判断してはいけません。「基本給」がいくらなのか、そして「固定残業代が何時間分含まれているのか」を必ず確認してください。 まともな企業は、求人票にこれらを明確に記載しています。記載がない企業は、何かを隠している可能性があります。
② 面接で「超過分」の支払いを確認する
「もし、固定残業時間を超えて働いた場合、超過分の残業代は支払われますか?」と単刀直入に質問しましょう。 「うちは営業だから、そんなに残業しないよ」「今まで超えた人はいないから」などと答えを濁す会社は、超過分を支払う気がないブラック企業の可能性大です。
③ 営業職に強いエージェントで「給与の実態」を聞く
インセンティブの評価基準が不明瞭だったり、達成不可能なノルマを前提としていたりする会社もあります。
営業職に特化した転職エージェントであれば、 「この会社は、固定残業代は40時間分と平均的だが、インセンティブの還元率が高く、成果を出せば青天井で稼げる」 「ここは基本給が高めに設定されており、残業時間も厳しく管理されているホワイト企業だ」 といった、求人票の裏側にある「稼ぎ方のリアル」を知っています。
あなたの営業力に見合った、正当な対価を支払ってくれる会社を選んでください。



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