失敗しない転職の手順

弁護士町田北斗

2018年登録・東京弁護士会所属
個々人が業種や職種毎のトラブルを予測回避するのは極めて困難です。
本サイトでは、過去に発生したトラブル事例を分析して回避することで、失敗しない企業・エージェントを選び抜き、安全なキャリア形成を支援します。

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弁護士が教える「失敗しない転職」5つの手順|契約リスクとブラック企業を回避する鉄則


記事本文構成

はじめに:転職とは「人生最大の契約変更」である

多くの人が転職を「環境の変化」と捉えていますが、弁護士の視点から言えば、転職とは**「労働契約の解除(退職)」と「新たな労働契約の締結(入社)」という、人生における重大な契約手続き**に他なりません。

感情や勢いだけで進めると、入社後に「話が違う(契約不履行)」や「残業代が出ない(労基法違反)」といったトラブルに巻き込まれます。本記事では、法的トラブルを回避し、確実にキャリアを積み上げるための「失敗しない手順」を解説します。


STEP 1:自己分析(希望条件の法的整理)

まずは、自分が働く上で「譲れない条件」を明確にします。これを法律的に翻訳すると「労働条件の絶対的明示事項」をどう設定するか、という作業です。

  • 業務内容: 職種限定契約か、総合職か。
  • 賃金: 基本給、固定残業代の有無、賞与の算定基準。
  • 労働時間: みなし労働時間制か、フレックスか。

弁護士のCheck Point 「風通しの良い職場」といった曖昧な感覚ではなく、「離職率」「平均残業時間」など、客観的な数値(証拠)で評価できる基準を持ちましょう。

STEP 2:情報収集(企業のデューデリジェンス)

応募企業が法令を遵守しているか、事前の調査(デューデリジェンス)が不可欠です。求人票はあくまで「広告」であり、契約書ではありません。以下の点に注意して情報を精査してください。

  • 求人票の「固定残業代」: 何時間分が含まれているか明記されているか?
  • 口コミサイトの活用: 「パワハラ」「サービス残業」などのワードがないか。
  • 登記簿や企業の沿革: 頻繁に商号変更や代表者変更をしていないか。

STEP 3:面接(事実確認と証拠化)

面接は、企業があなたを審査する場であると同時に、あなたが企業を審査する場です。 特に「労働条件」に関する質問は、トラブル回避のために必須です。

  • 「求人票にある給与には、残業代が含まれていますか?」
  • 「実際の平均退社時間は何時ごろですか?」

これらを質問することは失礼ではありません。むしろ、契約意識の高いビジネスパーソンとして評価されるべき行動です。

STEP 4:内定・条件交渉(労働条件通知書の精査)

ここが最もトラブルが起きやすいフェーズです。「入社してから条件が変わっていた」という相談は後を絶ちません。 内定が出たら、必ず**「労働条件通知書(または雇用契約書)」**を書面で受領してください。口頭約束はトラブルの元です。

▼ 必ず確認すべき項目

  1. 契約期間: 正社員(無期雇用)になっているか? 知らぬ間に契約社員(有期雇用)になっていないか。
  2. 就業場所・業務内容: 転勤の有無や、職種の変更範囲。
  3. 賃金規定: 手当の支給条件や退職金の有無。

弁護士のアドバイス 提示された条件に疑問がある場合、個人で企業と交渉するのはハードルが高いものです。ここで**「転職エージェント」**が役立ちます。彼らは交渉のプロであり、あなたの代理として条件の適正化を図ってくれます。

STEP 5:円満退社(契約解除のプロセス)

新しい契約を結ぶ前に、現在の契約をきれいに終わらせる必要があります。 民法上、退職の意思表示は2週間前に行えば効力を持ちますが、就業規則を確認し、通常は1〜2ヶ月前に申し出るのがマナーであり、損害賠償請求などの無用なトラブルを避けるコツです。

  • 有給消化: 権利として主張しつつ、引き継ぎスケジュールとの兼ね合いを調整する。
  • 退職届: 「退職願(合意解約の申し込み)」として提出し、承諾を得る形が最も穏便です。

まとめ:リスクヘッジのために「第三者」を入れる

転職における最大の失敗は、**「自分一人ですべて判断し、不利な契約を結んでしまうこと」**です。

法律の世界に弁護士が必要なように、転職の世界には「転職エージェント」というプロの介在が、リスクヘッジになります。特に、契約条件の確認や年収交渉において、彼らはあなたの強力なパートナーとなります。

トラブルのない、健全なキャリア形成のために、信頼できるエージェントを活用することをお勧めします。

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